病気の日本近代史 幕末から平成まで
秦郁彦 著
ドイツの敗因はアメリカが参戦したためというのが通説になっているが、ルーデンドルフ
将軍は「新しく参戦してきたアメリカ軍のせいではなく・・・・・・あのいまいましいインフル
エンザのせいなのだ」と口惜しがっている。
日本軍も日清戦争では、死亡者の九割以上が脚気、マラリア、コレラなどによる戦病死
であった。「自然は人間共よりよほど能率的に人を殺しをする」というR・ゴードンの至言
を想起させる。
日本やドイツ、アメリカ、フランスなどすべての軍隊で戦死者よりも病気で死亡する人の
方が多かったというのには驚きました。また、脚気という病気が初期の日本軍に多かっ
たのは、白米に頼った食料のため、ビタミン不足によるものであることが判明。米神話が
原因というのは、興味深い話でした。
後半では、タバコと肺ガンの因果関係がないのは明らかであると述べています。
脚気(かっけ・beriberi)
ビタミン欠乏症の一つで、ビタミンB1の欠乏によって心不全と末梢神経障害をきたす疾患。
明治から大正にかけて、結核とならぶ二大国民病といわれたそうです。
著者は、東京大学法学部卒業後、大蔵省に入省。有名な現代史家です。
主な主張は、南京事件に関しては肯定。南京大虐殺はあったが、被害者は最大で4万人、
実際はもっと少ないであろうという考えのようです。肯定派の本も読んでみようと思います。
ただ、文章がちょっと読みにくいです。
従軍慰安婦にはついては否定。昨年の大阪橋下市長の慰安婦発言については、雑誌
「正論」で核心は間違っていないという趣旨を書いていました。
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