日本がもっと好きになる神道と仏教の話
竹田恒泰 × 塩沼亮潤 共著
(竹)「神道は、もう日本人の習慣なのだから宗教ではない」という人もいます。宗教の三要素
とされる「開祖・教典・戒律」も、神道にはいずれもありません。
(塩)一定の考え方に執らわれることなく、どんな問題にも滞りなく対応できるように、ユダヤ、
キリスト、イスラム、ヒンズー、また仏教など、世界の宗教のそれぞれの考え方をグローバル
な観点から知識として、捉えておく必要があります。それぞれの民族の固有の文化、信仰、
歴史を知ることにより、逆に日本というものが見えてくるものです。
(竹)ここで端的に伺いますと、お坊さんである塩沼さんにとって、神道とは何でしょう。あるい
は神社を参拝するとは、どういうことですか。
(塩)一言で言うと「先祖にたいしての赤誠の気持ちを表すこと」です。日本人としてこの世に
生まれ、祖国と伝統文化を大切に思っているだけです。
(塩)仏教(Buddhism)とは何かというと「ブッダ(お釈迦様)の説いた教え」と「ブッダ(覚者)
になるための教え」ということで、人間であるお釈迦様が努力して自らが到達した心の絶対
的安穏(悟り)を示し、またその悟りへ至る道筋をお釈迦様の言葉で語られたものです。
(塩)もともと宗教とは仏教の言葉なのです。「宗」と「教」とは違う意味でありまして、「宗」は
人間活動の基本の理法であり言葉では表現できない普遍的なものです。それを人に伝える
場合は、言葉に頼らなければならないし相手によって変化します。それが「教」であります。
これを仏教では、宗教と言います。
それを明治の先覚者が”religion”という西洋の語を翻訳するとき、宗教をあてはめたのです。
【日本がもっと好きになる神道と仏教の話 竹田恒泰 × 塩沼亮潤 共著】
塩沼亮潤
仙台市の慈眼寺住職。奈良県の大峯山の頂上にある大峯山上本堂までの往復48キロの
山道を1000日間休まず続ける千日回峰行という行を成す。1300年の歴史で2人目。
翌年には、四無行という断食、断水、不眠、不臥を9日間続ける行も成し、大阿闍梨の称を
得ています。主な著書、執らわれない心、ほか。
阿闍梨(あじゃり)とは、サンスクリットで「軌範」を意味し、正しく諸戒律を守り、弟子たちの
規範となり、法を教授する師匠や僧侶のこと。大阿闍梨は、伝法阿闍梨のうち特に徳の高
い阿闍梨のこと。
阿闍梨の種類
教授阿闍梨、伝法阿闍梨、七高山阿闍梨、一身阿闍梨。
神道の専門家の竹田さんと、仏教の専門家の塩沼さんの対談本です。
竹田さんは仏教も詳しく、塩沼さんは神道にも詳しいので話がかみ合います。
初詣や七五三で神社に行き、家には仏壇があり、神道と仏教が共存しているのが日本の
宗教です。神仏習合、神仏分離、廃仏毀釈などを経て現在の形となっています。
南米や東南アジアでは、欧米列強の侵略の手先としてキリスト教が先行で渡来しました。
どこの国も古来より多神教の国々でしたが改宗、その結果、植民地となり数百年間抑圧
されました。東南アジアで唯一独立を守ったタイは仏教国です。
日本でも、豊臣秀吉に徳川家康が伴天連追放令などで排斥したために護られました。
学校の教科書では弾圧と習いますが、追放していなければどうなったでしょうか。
一神教であるキリスト教徒が、日本では人口比で1%を超えることはありませんが、日本
では根底に神道があるためと思われます。あまり意識されることはありませんが。
戦前の日本のクリスチャンは、神道プラスのキリスト教徒でした。
新渡戸稲造や映画「終戦のエンペラー」の主人公・ボナー・フェラーズに大きな影響を与え
た河井道などがそうであったようにです。
しかし、昨今の新興宗教の中にはこの共存を認めないものもあります。教祖や会長を名乗
るものが、開祖や神様よりも尊ばれるような教えは邪道です。
2014.5.25(日) 貴金属買取相場
18金・K18 3,360円/1g プラチナ850 4,300円/1g
インゴット100g以上 4,460円/1g プラチナ900 4,470円/1g
24金・純金製品 4,320円/1g プラチナ1000 4,900円/1g
14金・K14 2,450円/1g K18/Pt850半々 3,760円/1g
上記相場価格×重さ=お買取価格
手数料や分析料、鑑定料は、もちろん無料です。
お客様の大切な商品を専門的評価で高額査定致します。