死ぬ理由、生きる理由 英霊の渇く島に問う
青山繁晴 著
この本は、前作「ぼくらの祖国」に続く硫黄島の話が中心です。
今年５月２５日から５月３０日まで行われた硫黄島周遊旅客クルーズの中での３回の公演と
船内放送講演を文字起こししたものです。発売前にアマゾンに予約し、到着後２日で読み終
えました。青山さんの話はためになり、知らないことが多いことを実感します。前作に続き、
涙しました。
にっぽん丸 第１９５次航
小笠原と硫黄島周遊クルーズ
東京ー小笠原・二見ー東京
２０１４年５月２５日ー５月３０日
わたしたちの祖国は２千数百年にわたって一度も外国人による占領、侵略を受けたことが
なく、この硫黄島が２千数百年を経て初めて外国人に占領される島となりました。
現代の日本に生きるーー若い方も高齢の方も男性も女性も区別なく、あるいは意見の違い
や考え方の違いは一切関係なくーーわれらが共に考えなければならないことがそこにある
のではないかと、ぼくは考えます。
そのことを考えますと、あるいは硫黄島を護ろうとして自らの青春も命も犠牲にされたわた
くしたちの先輩のことを考えれば、いま南シナ海で起きているような紛争、あるいは戦争そ
のものを起こさせないためには、この硫黄島をに戦争を抑止するための、予め戦争が起き
ないようにするための戦闘部隊を配置すべきだと、ぼくはかねてから専門家の端くれとし
て提案して参りました。
立場の違いを乗り越えて、天皇皇后両陛下のなされ方を育んできたわたしたちの力で、硫
黄島も遺骨を取り返すだけでなく、修学旅行や成人教育の人たちが訪れる島にしたいと、
ぼくは願うのです。
わたしたちは、あの戦争に負けはしたけれども、硫黄島の英雄の方々を、敵だったアメリカ
こそが尊敬しているように、「わたくしを捨てて人のために生きる」という日本人の生き方が
現れたのも、また沖縄戦ではないでしょうか。
今回の３回にわたる講演会で本当は何を言いたかったというと、硫黄島の後でも、沖縄戦
の後でも、いわばわたしたちの生き方はずっーと貫かれて、これがいまも続いているという
ことです。
硫黄島からは今こそ、わたしたちに手紙が届いているのです。
わたしたちが忘れていたものを、架け橋でつなげば、新しい日本人の生き方が見えてくる。
それが硫黄島です。
すべての祈りと感謝と勇気を込めて、明日へ。
【死ぬ理由、生きる理由 英霊の渇く島に問う 青山繁晴 著】
硫黄の烈しく噴き出る島に
今も取り残されたままの栗林忠道陸軍中将をはじめ
およそ一万と千人の日本国民に
ただ一杯の水のごとく
このちいさき書を捧ぐ。
【本書Ｐ３ 硫黄島の位置】
硫黄島の戦いは、アメリカ軍１１万に対し、日本軍は２万２千人。戦力、火器、食糧ほか圧倒
的な差で、米軍は５日で島を占領し、滑走路を造り、空爆にかかる予定でした。しかし、日本
軍はこれまでと違い栗林忠道陸軍大将（当時は中将）を最高指揮官に、自決や玉砕を禁じ、
ゲリラ戦により戦闘は３６日にも及びました。
硫黄島の擂鉢山に星条旗が掲げられた写真はピューリッツァー賞を受賞し、その写真のまま
ワシントンＤＣにあるアーリントン国立墓地の近くに、合衆国海兵隊記念碑として銅像が作ら
れました。１９５４年１１月１０日除幕。
日本では忘れさられていた硫黄島の戦い。日本人に思い出させてくれたのは、アメリカ人の
クリント・イーストウッドでした。映画監督として。
「父親たちの星条旗」 Flags of Our Fathers ２００６年。
「硫黄島からの手紙」 Letters from Iwo Jima ２００６年。
「父親たちの星条旗」はアメリカ視点から。アメリカも戦費を集めるのに苦労していたのに驚
きました。
「硫黄島からの手紙」は同じ監督ですが日本視点。ただし、クリント・イーストウッドはアメリカ
人ですので、完全な日本視点ではなかったです。偶然にも昨夜テレビ放送がありました。
憲兵が吠える犬を殺すのに発砲するなど無茶苦茶な描写もありますが、日本人に硫黄島を
思い出させてくれました。
【硫黄島の戦い】
日本 戦死者１８，３７５人。
アメリカ 戦死者６，８２１人、戦傷者２１，８６５人。
１９４５年２月１９日に始まった戦闘は３６日間に及びました。しかし、戦闘がなくなった後も
アメリカ軍に投降せずに潜伏を続けた兵士もいました。最後の生存者として２人の兵士が
投降したのがなんと、１９４９年１月２日でした。水も食料も少ない硫黄島で驚愕です。
無人の小さな島のためになぜ２万人もの人が死ななければならないのかと思う人もいるで
しょう。戦闘前は千人近い民間人が住んでいて、避難・疎開したために民間人の犠牲はあ
りませんでした。沖縄戦との違いです。
爆撃機は、爆弾を落とす目的の飛行機のため燃料を多く積め航続距離は長いのですが、
無防備のため護衛の戦闘機が必要です。しかし、戦闘機は戦うことが目的のため燃料は
あまり積めません。ですので空母の役割があるのですが、空母では搭載できる飛行機に
限界があります。だから中継地が必要となり、制海権と制空権を握っている場所の地面が
重要となるのです。
アメリカ軍は硫黄島を手中に収めたことで、硫黄島からほぼ等距離にある東京と沖縄へ
の攻撃を本格化させました。東京大空襲（１９４５年３月１０）、沖縄戦。つまり、硫黄島で
１日でも長くと戦った日本の軍人さんのおかげで、３１日分の空襲で亡くなる命が救われ
たのです。
昨日の映画「硫黄島からの手紙」でも誇張されていました、「天皇陛下万歳」。
「天皇陛下万歳」とは、天皇個人を称えるだけの言葉と思っている人が多くいます。違うの
です。天皇陛下万歳とは、公の精神により個人の思いを裏に秘した大和心、武士の美学
なのです。軍人が妻子のために死ぬとは言えないことは分かりますよね。
「天皇陛下万歳」とは、愛する家族を想う気持ちも含んだ最期の言葉だったのです。
天皇陛下万歳 → 祖国日本のため → 故郷のため → 妻・子ども・家族のため
栗林忠道閣下が、大本営に送った最後の電報の句。
「国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき」
筆まめとして知られ、家族に送った多くの手紙が残されています。まだ小さかった末っ子の
次女・たか子さん（たこちゃん）を特に気にかけてようです。
新藤たか子さんは、現総務大臣・新藤義孝さんの母親です。国士のＤＮＡが受け継がれて
います。
硫黄島にまだ取り残されている英霊一万二千柱。昨年末、安倍政権は１０年をかけ滑走路
の移設を含めて島内のご遺骨を収集することを決定しました。国のために命を賭した方々
を、手厚く葬るという当たり前のことを日本はしてきませんでした。
本日の金相場は、ＮＹ商品取引所で前日比9.5ドル安の１トロイオンス1306.2ドル。
プラチナ相場は、前日比12.0ドル安の１トロイオンス1,458.2ドル。
ＮＹ外国為替市場の終値は、１ドル￥102.3、１ユーロ￥137.0。
２０１４．８．１６ 貴金属買取相場
１８金・Ｋ１８ ３，３２０円/1g プラチナ８５０ ４，２２０円/1g
インゴット100ｇ以上 ４，４４０円/1g プラチナ９００ ４，３７０円/1g
２４金・純金製品 ４，３００円/1g プラチナ1000 ４，８１０円/1g
１４金・Ｋ１４ ２，４１０円/1g K18/Pt850半々 ３，６８０円/1g
上記相場価格×重さ＝お買取価格
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