汚穢と禁忌
メアリ ダグラス 著
塚本利明 翻訳
本書は、不浄なるものと感染という観念について論じたものである。この着想は、1950年
代に私がある伝染病、すなわち麻疹に感染し、一週間ほど寝込んだときに頭に浮かんだと
思う。P012
「汚穢と禁忌」は、誰でもどこでも汚い物は不快だと感じるということを前提としていた。
私は今でもこの前提は正しいと思っている。だが、あるものを汚いと判定する根拠は何か。
P023
訳者あとがき
つまり、汚物とは本質的に「無秩序」であり、それは、我々が秩序を創出しようとする際
にその体系に組み込むことができないものの謂いなのである。汚物に対する我々の反応は、
曖昧なるものもしくは異例なるものに対する未開人の反応と根底において同一なのであっ
て、汚物を避けようとする我々の行為は消極的行為であるどころか、己の環境をある理想
との関連において積極的に構成していこうとする創造的努力の顕れであるのだ。すなわち、
「世界のある地域における汚れにかかわる行為と他の地域におけるそれとの差は、細部の
問題であるにすぎない」のである。P400
2020.11.16(月) 貴金属買取相場
本日は、昨日の代休を頂きました。