大分県宇佐市長洲の初盆の伝統行事、御殿灯篭を紹介します。
今年、我が家は祖母の初盆です。
御殿灯篭とは、畳一畳ほどの大きさのもので、職人さんが神社仏閣、山や川、お坊さんなどを
木や紙で造作したものです。
長洲の初盆の家は御殿灯篭を据え、にぎやかに亡くなった方を迎えます。
御殿灯篭は、もともと平家の落人がこの地に逃げ延び住み着いた際、京を思い灯篭を作り、
平家一門の霊を慰めたのがはじまりのようです。
宇佐市内でも平家の落人の逸話は、各地区にあります。
この御殿灯篭は、お盆の間飾り、15日のお盆の最後の日に燃やしてします。
焼く場所まで運ぶことを、精霊送り(灯篭送り、灯篭流し)といいます。
家族で運び、亡くなった方を見送ります。
長洲は、むかし漁業と水産物の加工で栄えました。
長洲の人は「宵越しの金は持たない」からこういう行事ができたなどといわれます。
費用がかかり、場所もとり、燃やす所もあまりないことなどから年々減っています。
今年は約60件の初盆の家に約30数件の御殿灯篭が据えられているそうです。
作る職人さんも2軒になっており、後継者もいないようです。