最後にTPPに参加しなかったらを考えましょう。
アメリカからは毎年、年次改革要望書という分厚い要求書が届いてい
ました。（民主党政権になりなくなりました。）
マスコミはこの要求書の内容は伝えません。
農業、金融、保険、規制など多岐にわたり、様々な圧力をかけます。
郵政民営化も長年の強い要求の１つでした。
アメリカは、１つ１つ解決するのが面倒になって、TPPで全部の要求を
一気に日本に飲ませようとしているのかもしれません。
何度も言いますが、アメリカのTPPの狙いは日本なのです。
では、他の参加国と日本との関係を見てみましょう。
シンガポール ２００２年 EPA発効
マレーシア ２００６年 EPA発効
チリ ２００７年 EPA発効
ブルネイ ２００８年 EPA発効
ベトナム ２００９年 EPA発効
ペルー ２０１０年 EPA交渉完了
ニュージーランド、オーストラリアとは東アジア包括的経済連携構想。
食肉の問題でこの２ヶ国とは、あまり進展がないようです。
今さらTPPに参加しなくてもほとんどの国とは、２ヶ国間で決着して
います。それぞれの国には、それぞれの事情があるのです。
米倉経団連会長が言うような「TPPに参加しないと日本は世界の
孤児になる」には、決してならないのです。
ちなみに韓国はFTAを選びました。
先月１７日、クリントン米国務長官が、日本を訪問し菅首相と会談を
行いました。東日本大震災への米国の全面的な支援を約束しました。
また、皇居で天皇、皇后両陛下とのお茶に招かれたそうです。
忙しいですね。こういった面談は異例で、今回の震災に対する米国
からの支援への謝意もあるようです。
と日本の訪問は口実で、本当は韓国で大事な用があったのです。
前日から韓国を訪問し、韓国政府に米韓自由貿易協定（FTA）の早期
批准に努めることを改めて表明しました。６月に予定されている韓国
大統領の訪米に向け、批准作業を急ぐようです。
韓国メディアは、「韓国１７時間、日本５時間」と喜んで報道したそ
うです。子供が学校で他の子供より先生が気にかけてくれた！と
喜んでいるようです。
どこの国のメディアも一緒でダメだなぁと思います。
そうやって韓国メディアが喜んだ時間のほとんどをアメリカは、FTAの
早期批准の圧力と段取りにのみ費やし急がせたのです。
韓国訪問は、FTAを急がせることに尽きるようです。
アメリカと韓国のFTAは、韓国のサムスン、LG、現代自動車など
大企業の輸出を関税撤廃により後押しするメリット？がある反面、農業・
漁業・畜産には大打撃が目に見えています。
また日本と同じく金融、保険ほか多大な要求があったようです。
しかし、よく考えてみて下さい。アメリカの関税率は、乗用車2.5%、
テレビ5%、電気機器1.7%なのです。すでにこんな率なのです。
韓国のウォン安効果で、この関税などあってないも同然です。
しかし、韓国は国防の面からもアメリカとの貿易摩擦の面からも、
飲まざるを得ないのです。
それでもTPPに参加するよりもいいという判断です。
【本日は、母の日です。】
「TPP」４日間にわたり書きました。いかがでしたでしょうか。
数冊本を読み、ネットでいろいろな意見を読み、「なんとなく」を
払拭しようとしました。
本屋さんでTPP賛成の本を探してもほとんどありません。
これについては、「賛成の根拠がないので本が書けない」
「参加ありきで、アメリカのための賛成などは書けない」からだと
いう指摘がありました。
最近いろいろな本のいろいろな著者が、「思考停止」という言葉を
多く使っています。考えをやめては人間ではない。
TPP難しいからいいやが国の衰退に繋がります。
みなさんのTPP賛成or反対の考えの参考になれば幸いです。
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