TPPは輸出拡大には繋がらないこと、影響は農家だけではないことを
連日書きました。
TPP賛成派はメリットを、反対派はデメリットを強調します。
しかし賛成派が言うようなメリットは意外と少なく、反対派が言う
デメリットは、実は農業崩壊だけではないのです。
では、なぜ政府はTPPに突き進もうとしているのでしょうか。
前原前外相の「 日本のGDPのうち、農業など第1次産業は1.5%。
1.5%を守るために98.5%が犠牲になっている」という発言がクローズ
アップされましたが、その時の演説の全文が下記外務省のHPにあり
ます。
日本経済新聞社-CSIS共催シンポジウムにおける前原外務大臣講演
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/22/emhr_1019.html
まずは、この数字の種明かしから始めます。
上記の話だけを前原前大臣の歯切れのよい言葉で聞くと、なるほどと
思われる方もいらっしゃると思います。
1.5%の第一次産業と98.5%の輸出産業
GDPは、国内総生産です。大まかな日本のGDPの生産面に占める割合
を列挙します。データが2002年のものですので、多少誤差があります。
農林水産業※1.4%
製造業22.0% (内輸送機器※2.9%)(内電気機械※3.4%)
建設業7.4%
金融・保険7.3%
不動産業14.7%
鉱業0.1%
サービス22.3%
卸売・小売業14.7%
電気・ガス・水道3.0%
運輸・通信業6.8%
製造業全体の中で輸送機器(車)の割合は13.2%です。ということは、
上記全体の中では2.9%しかないのです。電気機械は15.6%ということ
は、3.4%。製造業の中には、他に食料品、繊維、石油製品、精密機械
などがあります。
物事をなんでも単純に言うとカラクリがあるものです。
嘘ではないけれども正確でない、大袈裟。
”外務大臣”が、なぜこのような数字のトリックを使うのでしょうか。
考えて下さい。皆さんは、農業の犠牲になっていますか?
農業は日本のお荷物なのでしょうか。邪魔者なのでしょうか。
そして、この演説の主旨として、アメリカとの外交、同盟関係は日本だけ
の利益だけではダメで、アメリカにも利益がなければならない。そのため
にアメリカの国益も考慮しなければならない。ということを述べています。
また、日本も同盟国にふさわしい魅力が必要。
このあたりは、大まかには同意できると思います。しかし、一番理解して
ほしいのは、自身の民主党にではないでしょうか。アメリカに尻尾を振り、
中国に媚を売り、国を切り売りするつもりでしょうか。
また、日本の肩を100%持った意見を言えば、アメリカはモノづくりを
諦め、金融立国になってしまいました。毎日毎日マネーゲームに明け暮
れ利ざやを狙い、なんの生産性もありません。
エリートと呼ばれる少数のサラリーマンが、年収1億円を超えるのです。
そして東日本大震災の混乱の中、日経先物の空売りやFXなどを使い
巨額の富を日本から奪っていきました。危機意識のない金融及び経済
財政大臣は、ただ見ていただけです。これから少したてば、この時この
ハゲタカがいくら日本から吸い上げたのか、数字もでてくるでしょう。
恐ろしい額になります。
モノづくりでは、車は相変わらず、売りたい国に合わせず、国内向け
商品を輸出しようとしています。また、GE社の技術開発は、軍事産業
部門に集中しています。
農産物では日本の規制で、認められていない農薬や添加物を認めさせ
ようとしています。農産物も大量生産しようと思えば、化学薬品は必需な
のです。自分の子供に農薬まみれのオレンジや遺伝子が組み換えられ
た穀物を食べさせることができますか。
オバマ大統領にできるのは、ドル安政策のみ。そうすれば、為替の恩恵
でアメリカ製品が安く輸出できます。また、日本企業は円高を嫌気し、
アメリカで製造することによりアメリカの雇用が確保できます。
しかし、国内の産業の質を上げるよりも為替操作という安易な道を選ぶ
ため、アメリカのモノづくりがどんどん衰退していきます。
輸出倍増計画で、なにを売りたいのでしょうか。
最後に、「平成の開国」。
と言うことは日本は現在、鎖国状態なのでしょうか。
これは大きな大きな大間違いです。
30年前からの日米貿易摩擦により、日本は今では十分農業の市場を
開放してます。コメの関税率が778%というところだけ強調されるため
誤解があるのです。牛肉・オレンジ市場開放憶えていますか。
日本は現在、世界最大の食糧輸入国なのです。
また、日本の農産物の平均関税率は、EU諸国よりも低いのです。
ただ日本の車や電化製品が優秀で売れ過ぎているために、貿易黒字
の圧縮のため余計に輸入しなくてはならないのです。
反対派は、JAが先頭に立つことにより反対派のイメージが悪くなって
いるように感じます。旧体制の保護とTPP反対がリンクしてしまいます。
そして政治家や新聞から輸出産業VS農業という構図が作られてしま
います。
JAというお上を排除し、若手の農家の新しい組合や農業企業家などが
組織を作り、すでに十分な市場開放をしていること、米は欧米人のパン
とは違うこと、輸出企業にとってもメリットが少ないことなどを論理だって
主張していくことにより日本国民のコンセンサスを得られるのかもしれ
ません。
では、明日は最後にTPPに参加しなかったらを考えましょう。
5月7日、貴金属買取相場
18金・K18 2,930円/1g プラチナ850 3,930円/1g
インゴット100g以上 3,960円/1g プラチナ900 4,130円/1g
24金・純金製品 3,800円/1g プラチナ1000 4,520円/1g
14金・K14 1,970円/1g
上記相場価格×重さ=お買取価格
手数料や分析料、鑑定料は、もちろん無料です。
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