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株式会社 いらっしゃい店
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TPP(5)

TPPの追伸として、日本の食料自給率と食料事情について。

農林水産省によると、我が国の食料自給率は先進国の中で最低レベルにあり、
食の安全保障上、問題なレベルだそうです。これも本当でしょうか?

現在日本の自給率は、カロリーベースで40%、生産額ベースでは70%です。
TPP反対派はカロリーベース、TPP賛成派は金額ベースで議論しようとします。
まずカロリーベースと生産額ベースと重量ベースの説明です。

≪カロリーベース総合食料自給率≫カロリーに着目
国民1人1日当たりの国内生産カロリー÷国民1人1日当たりの供給カロリー

分母の国民1人1日当たりの供給カロリーとは、国産供給カロリー+輸入供給
カロリー+ロス廃棄カロリー(残飯)の合計。

この計算の問題点は、分母の国民1人1日当たりの供給カロリーの約三割が
残飯として破棄されており、実際の日本人の平均摂取カロリーに計算し直す
と、カロリー自給率は55%前後にまで上がります。

また、キャベツやダイコン、キュウリなどのカロリーが低い野菜は、自給率
にカウントされにくいこと。
日本で育てた豚も、トウモロコシなどの餌が全て輸入品だった場合、その豚
は自給率にカウントされない。実際、豚の約半数は国内で飼育されているの
に、農水省の定義で計算すると国産豚は5%前後になる。

※カロリーベースで自給率を計算しているのは、日本だけです。ということ
 は、他国のカロリーべースの計算を日本の農水省が算出しています。

≪生産額ベース総合食料自給率≫金額に着目
1、価格×生産量=品目別の生産額
2、品目ごとの1をすべて足して食料生産額を求める。
3、食料総生産額÷国内で消費する食料総生産額=生産額ベースの国内自給率

生産額ベースの自給率は、文字通り金額に着目しています。
問題点は、ドル換算ですので為替に影響されます。現在は、円高ですので国内
品が高くなり、輸入品が安く算入されてしまいます。
また、日本のブランド牛や有機野菜は金額が高くなり、同じ量でも自給率が
上がってしまうこと。

≪重量ベース≫重さに注目
主食用穀物自給率では60%。(肥料を除く)
飼料を含む穀物全体の自給率では、27%。
米の存在が大きいですね。

各国のカロリーベース・金額ベースの自給率が下記です。
日本   40%・70%
イギリス 70%・40%
アメリカ 128%・102%
フランス 122%・101%
ドイツ  84%・75%
オーストラリア 237%・155%

どちらの計算も弱点があるようですが、
それでも農水省が言うような危機的なほど低いレベル?
上記を読むとそう考えますよね。

そう言えば、たまにスーパーに行くと生鮮野菜は地元のものが多いです。
葉もの野菜は鮮度が命です。果物と違い皮で守られていないので、遠くからの
船便が難しいのでしょうか。しかし柑橘類、ニンニク、加工品などはスーパーで
も外国産が多いですね。それと外食産業の台所は、肉など輸入品が多いです。

しかし、問題が見えにくいだけなのです。
上記の数字を見ればわかるように、日本は金額ベースでは自給率が上がり、
カロリーベースだと下がりますね。問題は、穀物なのです。

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日本は確かに50年前から、自給率が低下しています。その要因としては、
小麦、大豆、トウモロコシのほぼ全量を輸入に頼っていることが大きいです。
小麦はパンに麺にパスタ、大豆は醤油に豆腐に味噌、トウモロコシは家畜の
肥料に、食卓には欠かせない物ばかりです。

問題なのは、この3大穀物、小麦、大豆、トウモロコシです。

小麦は、86%が輸入に頼っています。昨年のロシアの干ばつやオーストラリア
の水害などにより相場が上がりました。日本では、すでにこの4月から、
政府からの小麦売り渡し価格が18%引き上げられました。
この円高基調の時に、この値上がりです。

大豆は96%が輸入です。

家畜用のトウモロコシは100%輸入です。牛肉1kgを生産するのに7~10kg、
豚肉1kgを生産するのに5~7kgのトウモロコシが餌として必要だそうです。
また、トウモロコシはバイオエタノールに転用され燃料にされています。
さらに輸出国であった中国が国内需要の増加に伴い、輸入国になってしまい
ました。
                     
これから穀物は黙っていても値上がりします。コモディティは、投機筋の
マネー、そして人口が増加し需要が増えるためです。国連の推計によれば、
世界の人口は2030年には80億人、2050年には92億人にも
なります。そして、新興国をはじめ消費量はさらに増えます。

そして、世界の穀物の8割を牛耳っているのが、穀物メジャーなのです。
有名なカーギルをはじめ5社で、世界の穀物取引の4分の3以上を扱います。
生産面だけでなく流通面でも強いのです。

日本は、農家に過保護という指摘があります。しかし、現実的にはアメリカや
EU諸国は、多額の補助金をだし農業を国策としてビジネス化しています。
農産物の輸出を奨励しているため輸出補助金もあるようです。

農業大国は、アメリカ、フランス、ロシア、オーストラリア、ブラジルなどが
挙げられます。先進国が多いのが特徴です。

普通に考えると、労働力の安い発展途上の国が有利で、先進国の高い人件費は
不利になるように思いませんか。でも実際は、多額の補助金。もう1つ重要な
ことは、合理化を進め広大な平地に大型機械で生産性を上げてます。生産性を
上げるためには農薬だけではなく、遺伝子さえも組み換えます。
貧しい国ほど食料自給率が落ちているそうです。

日本の農業、漁業、畜産業ほか一次産業の生き残る道はどのようにすればいい
のでしょうか。農家でも畜産業でもない私は、これという答えを持っていません。
日本の安心安全なおいしい米や果物を輸出すればいいなどの、付け焼刃な
意見は、農家に失礼だと思っています。

では、穀物は値上がりするし、日本には休耕田もたくさんあるので、小麦、
大豆、トウモロコシを作ればいいかというとそう簡単ではないそうです。
日本の地形、気候等がアメリカなどのような大型生産に向かないようです。
それよりも家畜の肥料用のコメを生産するほうが、現実的だそうです。

一次産業従事者以外の私たちも国民すべてが考えなければならない問題です。

どんなにいい家に住んでも、いい服を着ても、いい車に乗っても、食物がなけ
れば生きていけません。食は大事です。
東日本大震災を見ても分かるように、人間はまず食なのです。胃袋が満たされ
た後、おいしい温かい物、静かな眠る所、風呂と欲求が変わるのです。
昨今の北アフリカ・中東の政情不安の発端は、小麦の高騰により政府が国民の
胃袋を満たせなかったのが1つの要因です。

アメリカは、世界の胃袋を握り、食料兵器とする国家戦略なのです。
カリフォルニア米を売りたいのではなく、日本の胃袋を握りたいのです。

国民の生命と財産を守るのが国の責任です。日本はどのように国民の食を守る
のでしょうか。そして、安全保障には必ず負担がかかるのです。

5月12日、貴金属買取相場

18金・K18 2,970円/1g         プラチナ850 3,940円/1g
インゴット100g以上 4,020円/1g    プラチナ900 4,130円/1g
24金・純金製品 3,850円/1g       プラチナ1000 4,530円/1g
14金・K14 2,000円/1g   

上記相場価格×重さ=お買取価格   
手数料や分析料、鑑定料は、もちろん無料です。

日時:2011年5月12日 10:20