日本中枢の崩壊
古賀茂明 著
著者の古賀茂明-分かりますか？最近ＴＶにもよくでますね。
参議院予算委員会のなかで仙谷官房長官（当時）に、
「・・・・彼の将来を傷つけると思います。優秀な人であるだけに
たいへん残念に思います。」と言われ、
恫喝だ！と騒がれたのを覚えていらっしゃいますか。あの人です。
この本の内容は、あの予算委員会での恫喝騒ぎに至る過程から
公務員改革及び日本の構造改革の必要性を説いています。
ハードカバーの３８０ページの本ですので、少し時間はかかりますが、
日本を憂う方は是非読んで下さい。著者の分かりやすい言葉で、
読みやすいと思います。
驚いたことに著者の古賀氏は、がんに侵されているそうです。
【日本中枢の崩壊 古賀茂明 著】
「日本中枢の崩壊」からの抜粋
私の採用が決まったのは、渡辺大臣の熱意が勝ったからだ。官僚の差し金
を跳ね返しての強硬策である。後に述べる通り、仙谷行政刷新担当大臣は
当初、私を登用しようとしたが、霞が関の反対に遭うと、あっさりと方針
を転換したという。ここが仙谷大臣と渡辺大臣の力の差である。覚悟の違
いといってもいいだろう。
※渡辺大臣ー現みんなの党・渡辺喜美代表＼
リストラは無闇に行うべきではないが、現在のように、官と民両方を救う
財源はなく、公務員を助けるか、一般国民を助けるか、二者択一を迫られ
ている状況下では、当然、一般国民を優先すべきだ。
霞が関の官僚の多くは、目は曇り、耳は遠くなっている。聞こえてくるの
は、政府に頼って生き長らえようとするダメ企業が集まった団体の長老幹
部の声や、政治家の後援者の歪んだ要請ばかりだ。
現在の霞が関の最大の問題は、繰り返すが、官僚が本当に国民のために
働く仕組みになっていない点である。
過去、各国が不況から抜け出すために打ったマクロの経済政策や、危機に
陥って財政再建した歴史の教訓から見ると、増税中心で成功している国は
ほとんどない。政府の収入があればあるほど支出が緩くなってしまうから
だ。
若者は、将来の日本の株主として税金や保険料を強制的に徴収される、
いわば出資者である。彼らから見れば、日本が破綻して、ＩＭＦが乗り込ん
で、公務員を削減、無駄な既得権保護の補助金をカットし、年金の額を引
き下げ、支給年齢を引き上げるなどの改革をやってもらったほうが得だ。
つまり、本来はこれと同じことを政府がやらなければいけない。
小泉時代は、内閣の支持率が高く、勢いがあったので、役人は表立って
反発できなかったが、霞が関は自民党の守旧派と組んで、内閣が退陣した
途端、小泉・竹中構造改革に対するネガティブキャンペーンを一斉に始めた。
残念なことに、民主党もこれに乗ってしまった。
マスコミを使って、「弱肉強食の非常な改革が、日本経済を足腰から弱く
した」「格差社会を助長しただけの小泉・竹中改革は悪以外のなにもので
もない」と国民に吹き込んだ。
構造改革が間違っていたわけではない。むしろ逆である。改革が足りな
かった。小泉総理以降も、積極的に構造改革を進めていれば、日本はいま
のような最悪の事態にはなっていなかったはずである。
私は自民党・民主党政権の政策を真っ向から批判したと言われる。なにか
大それたことをしているかのように聞こえるが、私自身はそんなに大きな
ことしているつもりはなかった。ただ、当たり前のことを考えて、当たり
前のことを発信してきた。そうしたら、こんなことになった、というのが
正直なところだ。
以上
経済産業省の著者古賀茂明氏、
論文が問題となり辞めさせられた元防衛省の田母神俊雄氏、
尖閣諸島中国漁船衝突事件のテープを公表した元海上保安官の一色正春氏。
自身のことよりも、日本国のために職と生活を賭して世に訴えかける人達。
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