日本は誰と戦ったのか
コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ
江崎道朗 著
端的に言えば、アジア太平洋で戦争を引き起こし、世界を混乱させたのは日本ではなく、
ソ連・コミンテルンとルーズヴェルト民主党政権だったのではないか、という視点が浮上
してきているのです。日本からすれば、我々が戦ったのはアメリカのルーズヴェルト民主
党政権だったわけですが、そのルーズヴェルト民主党政権はソ連・コミンテルンの工作員
たちによって操られていたのではないか、ということです。
日本は誰と戦ったのか。
日本の真の敵は、アメリカではなく、ソ連・コミンテルンではなかったのか。
アジア太平洋の平和と繁栄を守るためには、日本も、軍事や外交だけでなく、秘密工作や
宣伝といったインテリジェンスの戦いで勝たなければなりません。そしてそのためには戦
後、日米両国の有識者によって隠蔽されてきた、スターリンの秘密工作をはじめとするイ
ンテリジェンス・ヒストリーを必死に学び、自らの力量をあげていくことが重要なのです。
本書を読んで「やはりルーズヴェルト大統領とスターリンが悪かったんだ。日本は悪くな
かったんだ」というような誤読はしないでいただきたいということです。国際政治の世界
では、騙された方が悪いのです。そして先の大戦で日本はインテリジェンスの戦いで「敗
北」したのです。自戒を込めて申し上げるのですが、その痛苦な反省に基づいて必死に学
ぼうとすることが、日本にインテリジェンスの戦いで勝利をもたらすことになるのです。
【日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ 江崎道朗 著】
コミンテルンとは、国際共産主義運動組織です。共産主義を世界に広め、各国を共産化す
るために、各国で暴力革命を引き起こすことを指導しました。日本共産党の元もそうで、
日本支部でした。このように共産党を大ぴっらに名乗るものと、その体を隠し活動するも
のとがいます。
この本では先の日米戦争はなぜ起こり、コミンテルンがどのように日米政府中枢で動いた
かを、アメリカ政府が公開した「ヴェノア文書」やM・スタントン・エヴァンズさんとハ
ーバート・ロマースタインさんの共著「スターリンの秘密工作員」などの本を引用しなが
ら述べています。多くの事実があり、また、文書がきれいな印象を持ちました。
日本国内
近衛内閣でデスクまで用意されるほど大きな影響力を持っていた朝日新聞記者・尾崎秀実
は、スターリンから送り込まれたリヒャルト・ゾルゲの指示の元、北進論(対ソ連)では
なく、南進論(対英米)に誘導。これによりソ連は、安心して兵員を対ドイツに送ること
ができました。
アメリカ国内
日米戦争の後、レッドパージ(赤狩り)によりルーズヴェルト民主党政権の多くの高官や
官僚がソ連の協力者「コミンテルン」であったことが判明しています。
日本への最後通牒と言われる「ハル・ノート」の原案を書いたハリー・デクスター・ホワ
イト然り、終戦後の利益分配を米英ソ首脳で話し合ったヤルタ会談を仕切ったアルジャー
・ヒスや日本の降伏を遅らせソ連参戦をもたらすなど、始めから終わりまでソ連の利益の
ために動きました。
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