がんの時代
中川恵一 著
がんには、外科、腫瘍内科、放射線科など、いくつかの専門領域がありますが、初期から
緩和医療まで一番知っているのが放射線治療医かもしれません。セカンド・オピニオンは、
放射線治療医に求めるのも一つの方法です。P61
遺伝はがんの要因の5%にすぎません。原因の約3分の2は生活習慣で、早期発見のカギ
はがん検診です。生活習慣を整え、検診をきちんと受ければ、がんで死ぬリスクは大きく
減らせます。がんは宿命ではないのです。P67
これまでの疫学調査によると、好ましくない5つの生活習慣(喫煙、野菜・果物不足、運動
不足、飲酒、肥満)が、がんになる原因の約25%、がんで死亡する原因の約40%を占める
とされています。P149
前著の「最強最高のがん知識」とほぼ被っていましたので、目新しさは少なかったです。
栄養学においても少し古さを感じました。
一つだけ興味深かったのは養老孟司さんとの対談の中で、放射線治療がどうしてがんに
効くかというとこでした。放射線を照射すると患部の温度は2000分の1度くらいしか上がら
ない。「それでもなぜ、がんが消えちゃうかといえば、このわずかなエネルギーでもがん
細胞を異物ととらえ、免疫細胞が攻撃を始める。結局、最後は免疫細胞ががん細胞を食
べる。ですから、試験管のなかでがんを培養して大きくして、それに放射線を当てても消
えないんです。それを殺す主体である免疫細胞がないから。」P125
人間の体は60兆個の細胞ででき、1%が毎日死んでいる。残りの99%の細胞が分裂を
繰り返し補っている。その分裂は、遺伝子DNAをコピーするが、時々ミスする。その
ミスでできた死なない細胞が、がん細胞である。普通の人でも毎日多数のがん細胞は
できるが、免疫細胞がことごとくやっつけている。免疫細胞の攻撃からひっそり生き残っ
たがん細胞が、分裂を繰り返し癌となる。
【放射線医が語る 被ばくと発がんの真実 中川恵一著】
癌の最強の薬は「免疫」です。そのためにも健康であることが大事です。食事、運動、
読書、睡眠ほか、気をつけることは多いです。
2021年7月16日(金曜日)
本日は臨時休業を頂きました。