世界インフレ時代の経済指標
エミン・ユルマズ 著
結論から申し上げると、投資や経済分析をする際に、もっとも大切なのは目先のイベントに
振り回されることなく、「大局観」を持つことです。
私は、日々相場と向き合うときに、地政学はもちろん、民族学、宗教学などの知識を駆使し
て、この大局観をアップデートし続けています。P3
「日本人は投資に向いていない」とよく聞きますが、そんなことは日本の経済史を知らない
人たちの根拠のないセリフだと思います。実は、日本人ほど投資に向いている人はおそらく
ほかにいません。P4
数ある経済指標のなかでも、米国の雇用統計ほど株価や為替レートに大きな影響を及ぼすも
のはありません。最重要の指標と言えます。P53
このように、米国の家計部門は基本的に借金体質です。だからこそ、金利上昇に対して過敏
に反応するとも言えるでしょう。P79
今、時代が大きなパラダイムの転換点を迎えています。ここまで読まれた方はご理解されて
いると思いますが、低インフレ・低金利の時代は終わり、いよいよ本格的なインフレ時代を
迎えようとしているのです。P182
低インフレ（もしくはデフレ）・低金利の時代は、何も勉強しなかったとしても、多少なり
とも豊かな生活を送ることができました。なぜなら現金の価値が相対的に上がっていったか
らです。デフレはモノの価値が下がっていく経済現象です。P182
【世界インフレ時代の経済指標 エミン・ユルマズ 著】
デフレ時代は楽で、普通預金をしていれば得はないけれども損もありませんでした。つまり
年金受給の老人にとって住みやすい時代。しかし、住宅ローンや車のローンがあり、子育て
中の若い現役世代にとっては、預金はなく借金が目減りせずに給料も上がらない不利な時代
になります。
モノの価値が上がり、借金の相対的な価値が下がると、生活にゆとりが出ます。
牛丼やハンバーガーを競って安くし、野菜の価格を１０円たりとも上げさせない巨大小売
店。テレビでは、キャベツ一玉が値上がりすると恒例の町の声、「今は高いので我慢」。生産
者は、バカ高い農業用機械に燃料高、人件費上昇などコストが当然に上がっています。それ
を許さぬ風潮がデフレを強めます。
消費者・流通業者・小売店が求める安くて見栄えがいい野菜。生産者はそれに応えるため
に化学肥料と農薬を使い、品種改良が重ねられた種を大量生産します。
「安くて見栄えがいいだけ」の、虫も食わない野菜。
【P187 FRBのバランスシート】
商売柄、お客様から金購入の相談をされます。１Kgバーなら１４００万円の売り上げです
のでうれしいですが、あまりお勧めしません。現物のGOLDは、現物の利点がありますが、
現物ゆえの欠点があります。
１つは、消費税がかかりますので購入時に１０％のロスが出てしまいます。２つ目に、盗難
リスクです。普通の家のせいぜい１００Kgの金庫では、金庫ごと盗まれてしまいます。金塊
を守るために、超重量の金庫を買い防犯設備を整え、警備会社に月々払ったのでは割に合い
ません。GOLDを投資に組み入れたい時は、投信かETFならそれらの欠点が解消できます。
それでも現物を購入したい時には、資産を金現物、預金、株式投資、不動産投資などに分散
させることが基本です。銀行の貸金庫も有効。日経平均株価も３４年ぶりに史上最高値を更
新しバブル越えですので、個人的には株式投資を一番お勧めします。長期投資ならば、最も
安全な投資です。
新NISAも始まり、口座開設がまだならば急いでするべきです。新NISAという制度は、国が
年金を賄いきれないので個人個人で老後問題を解消しなさいという、国からのメッセージ
であるとアナリストが語っていました。
５年前にマスコミと野党が安倍政権叩きに騒いだ「老後2000万円問題」。新NISAの上限枠
が１８００万円であることも通じます。
経済的な投資も、健康への投資も自分自身の勉強努力が必要です。何も考えなければ、
テレビの言うままで情報弱者に堕ちます。気がつけば、投資をしている人と資産の差が
でき、５０円を惜しんで野菜を食べず加工食品ばかりを食べて病気のリスクが上がります。
本を読んで、ネットで調べ、自分で調理をし、運動をすれば、リスクが下がります。確率論
ですので絶対などありませんが、人生に差が出ます。
【ど素人が7日で株式投資をする方法 ペンネームK.K. 著】
ちなみに紹介した著者はトルコ人で、インフレ率の高い国で育ち、給料が出るとGOLDや
モノにすぐに換えるというのがしみついているそうです。日本は豊かで恵まれていますが、
ボーダレスな時流で「日本だけが」というのが通用しなくなります。
著者は２０３０年までに日経平均株価は１０万円になり、２０５０年には３０万円に到達
すると予想しています。予想の半分だとしても、普通預金で何もしないのとの差に愕然と
します。
「高度成長期」「バブル期」という時期を特別視し過ぎると見誤ります。日経平均株価が
現在の４万円で頭打ち、というのも間違いであることは確かでしょう。逆に、バブル後から
アベノミクス前の「失われた２０年」「デフレ期」が特別なのです。
学生時代にインフレとデフレを習った時に、デフレがなぜ起きるのかが不思議でした。それ
ほど不自然な社会状態がデフレなのです。安くて良質なモノの提供は、職人気質で商売人の
日本人にとっては美徳ですらありますが、いつしか巨大な企業になったスーパーや飲食店
チェーンはそれとは異質な利益至上主義で、「自分だけ」がというエゴで四半期決算のため
に安売りします。生産者を叩き、従業員に利益を還元せずに内部留保を積み重ねます。
そのおかげもあり多くの大企業の財務体質はものすごく健全です。有利子負債と内部留保の
額が同じであったり、中には有利子負債がセロの企業まであります。どれだけ理由をつけて
人件費を上げずに貯めこんだかが分かります。
今日は久しぶりに長文でしたが、新NISAだけでも始めてインフレに備えてください。
株式投資は、習うより慣れろ！です。長期・分散・積立が基本です。銘柄の選別は、身近な
企業でいいと言います。乗っている車メーカー、口座を開いている銀行、使っている電機
メーカーなどなら安心だと思います。１ドル１５０円の終わりが見えるようになったので、
アメリカ市場へのドル建て投資は考えるべきです。
昨日のイスラエルのイラン攻撃はお手盛りだったようで、ダウは上昇し、原油相場も下落し
て落ち着きました。イラクで爆発音があったということですが、これ以上のことがなければ
月曜日の日経平均株価は上昇するでしょう。大きく下げている半導体関連ではなく、銀行の
ような固い銘柄に買いが集中するかもしれません。
本日の金相場は、ＮＹ商品取引所で前日比15.6ドル高の1トロイオンス2,401.4ドル。
プラチナ相場は、前日比11.1ドル安の1トロイオンス935.4ドル。
原油相場はWTIで82.11ドル、ＮＹダウは37,986.4ドル、米国債10年物は4.622％。
NY外国為替市場の終値は、１ドル￥154.6、１ユーロ￥164.7、１ユーロ＄1.065。
昨日の日経平均株価の終値は￥37,068、長期金利は0.845％。
2024年4月20日(土曜日) 本日の営業時間は11時-18時 明日は定休日です。
| 18金・K18 | 9,600円/1g | プラチナ850 | 4,200円/1g | |
| インゴット100ｇ以上 | 12,650円/1g | プラチナ900 | 4,450円/1g | |
| 24金・純金 | 12,270円/1g | プラチナ1000 | 4,780円/1g | |
| 14金・K14 | 6,990円/1g | K18/Pt850半々 | 6,750円/1g |
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