放射線医が語る 被ばくと発がんの真実
中川恵一 著
昨年の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故から放射線への恐怖
を意識される方が多くなりました。福島県をはじめ東北北関東の水や野菜が放
射能汚染の基準値を超えたなど妊婦さんや小さな子供がいる親御さんにとって
は、心配だと思います。子供だけはという親心。
反面、東京横浜でのホットスポットから京都のお祭りでの被災地の木の拒否、
被災地のガレキの受け入れ拒否など過剰な反応もありました。
この本は著者が専門医として漠然とした不安・見えない放射線の恐怖に、正確
なデータによる被ばくリスクの正しい知識を答えようというものです。
【放射線医が語る 被ばくと発がんの真実 中川恵一 著】
人間の体は６０兆個の細胞ででき、１％が毎日死んでいる。残りの９９％の細胞
が分裂を繰り返し補っている。その分裂は、遺伝子ＤＮＡをコピーするが、時々
ミスする。そのミスでできた死なない細胞が、がん細胞である。普通の人でも毎日
多数のがん細胞はできるが、免疫細胞がことごとくやっつけている。
免疫細胞の攻撃からひっそり生き残ったがん細胞が、分裂を繰り返し癌となる。
そして、普通の細胞分裂のＤＮＡのコピーミスの原因が、タバコにお酒、化学物質、
ストレス、老化、「被ばく」です。
放射線のデータで大きなウェートを占めるのが、広島長崎の原爆です。広島長崎
の原爆後のデータでは、原爆による火傷やケロイドで亡くなった人がほとんどです。
１００ミリシーベルト以上の線量で発がんが増えるという事実の基です。低線量の
被ばく者は、その後の検診等の充実した医療のおかげで、全国平均より長生きと
なり、「医療の力」をまざまざと示した。
もう一つの大きなデータが、チェルノブイリ原発事故です。福島第一原発事故も同
じレベル７とされましたが、比較しようもない最悪の事故でした。
急性放射線障害によって多数の死者を出したほか、食物や牛乳などの摂取制限
をしなかったため、被害が広がりました。
１、さまざまながんが危惧されたが、唯一増加したのは小児甲状腺がんだけ。
２、ソ連崩壊後の過剰な避難の結果、ストレス等による副次的影響が大。
２０１１年ロシア政府発表「チェルノブイリ事故２５年」より
精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限といった事故に
伴う副次的な影響の方が、放射線被ばくより遥かに大きな影響をもたらしたことが
明らかになった。
つまり事故直後の線量が高い間は緊急避難し、一定距離以上の場所に住む人は
一定期間が過ぎたら、住み慣れた地域に戻った方が、ストレスがなく体にいい。
チェルノブイリ事故の対応でロシア政府は、逆の指示をしたため被害が拡大した。
今回の福島第一原発事故の低線量では、癌は増えない。
正確なデータと被ばくリスクの正しい知識が大事であると著しています。
以上がこの本の要約です。しかし、専門家がこう言っても小さいお子さんがいる親
はやはり過敏になるでしょう。これは分かりますね。放射線は見えないから厄介で
あり、またマスコミの恐怖を煽った報道が頭から離れないかもしれません。
また、この本のようなことを聞くと、「孫を連れて家族で移住しろ」や「ごはんにふり
かけの代わりにかけろ」など極論を言うヒステリックな意見もでます。
世界原子力協会（WNA）が今年３月に公開した、国際機関の専門家３名のインタ
ビューでも上記と同様の内容になっています。
反原発は左翼のイデオロギーに利用され、原発推進は既得権者により進められ
ます。思想や感情ではなく、化学的データに基づくものが大事です。しかし、両者
の使うデータは都合のいい使われ方もすれば、相反することを言います。
生活に電力は欠かせません。嘘のない現実的な電力行政とともに、国民１人１人
が考えなければなりません。
２０１２．５．２ 貴金属買取相場
１８金・Ｋ１８ ３，２７０円/1g プラチナ８５０ ３，５００円/1g
インゴット100ｇ以上 ４，４００円/1g プラチナ９００ ３，６３０円/1g
２４金・純金製品 ４，２２０円/1g プラチナ1000 ４，０００円/1g
１４金・Ｋ１４ ２，２００円/1g K18/Pt850半々 ３，３３０円/1g
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