一昨日紹介した本に、卵は「1週間に6個まで」とありました。
最近よく聞く「卵は何個食べてもOK」という知識。疑問でした。ボディビルダーが、1
日5個食べるのは「筋肉に与える餌」であり健康のためではありません。また、その栄養
に見合う運動量もあるのでしょう。
卵は昔から貴重で良質なたんぱく源でした。おいそれと食べることはできず、超高価な食
品であり、近代においても「風邪の時」の薬に近いものでした。それが鶏舎で昼夜を問わ
ず無精卵が産卵され、大量生産されて安くなります。身近なものになり、「1日1個」か
ら今では値段の上がらない、「物価の優等生」などとも言われます。
そして厚生労働省が5年ごとに発表する「日本人の食事摂取基準」の2015年版において、
コレステロールの摂取基準（目標量）がなくなりました。それまでコレステロールの摂取
量が多いと血液中の悪玉コレステロールも高くなると考えられていましたが、弱い相関し
かないことが研究で分かったことで摂取基準がなくなりました。しかし、だからたくさん
食べていいこととは別であるとします。心筋梗塞や脳卒中と卵に相関関係がなくても、糖
尿病や心不全を起こすリスクが高まるようです。
・卵を1日1個以上食べるグループは、ほとんど卵を食べない（1週間に1個未満）グループ
と比べると、2型糖尿病を発症するリスクが42％高い。P140
卵をほとんど食べない人に比べ、1日1個食べる人たちで28％、1日2個食べる人たちで64
％も心不全を起こすリスクが高い。この研究では、卵の摂取量が1週間に6個までであれば
リスクの上昇はなかった、とします。
卵はあまり食べない方が良く、食べるとしても1週間に6個までに抑えることが健康にとっ
てベストであると私は考えている。P142
【世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 津川友介 著】
卵は”命”ですので、過剰摂取は栄養過多であることは理解しやすいです。魚卵でさえも
命です。しかし、ボディビルダーにとっては、高たんぱく、低糖質だけでなく、それ以
外の栄養素も豊富で必需です。
20年前アスリートは、卵白だけを食べ黄身は高コレステロールであるとして食べません
でした。現在は、黄身には筋肉を維持する栄養素などもあり丸ごと食べるようです。
また、プロテインと言えば乳清が原料のホエイプロテインが主流ですが、卵由来のエ
グプロテインもあります。
卵は物価の優等生とよく言われますが、逆に劣等生です。鶏舎を建てる費用から人件費、
電気代ほかコストは上がっているのに商品価格に転嫁されないデフレの代表的なもので
す。もっと値上がりしなければ鶏舎の経営が成り立たず、いずれ質の悪い餌に代わり、
結局消費者に不利益をもたらします。
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